2017年4月7日金曜日

オメガ3脂肪酸は脳の健康に必要不可欠な油です

オメガ3は人体に必須の油

オメガ3脂肪酸-フラックスシード-

オメガ3

オメガ3とは、人体に必要な必須脂肪酸で青魚やナッツに含まれている自然の油です。オメガ3が欠乏すると脳の意思決定や思考・意欲・行動の低下や発達に障害が生じるほか、育てる側の母性や父性の欠落にも障害が出る可能性が示唆されています。高齢になると脳の機能低下が早まるともいわれています(出典:2017年4月6日, NHKBS3の番組より)。

心への効果

人体の15%が油でできており、そのうち脳の60%が油でできています。オメガ3は脳の小脳(運動機能)と黒質(意欲や、やる気を起こさせるホルモンのドーパミンに関わる)、大脳皮質(意思の決定など)で多く働いていると言われています。

オメガ3が不足すると?

オメガ3が不足すると脳に影響が出る可能性があります。妊娠中のオメガ3は優先的に子どもに与えられるので出産前後のお母さんは特にオメガ3を摂取することが望ましいかもしれません。もしかしたら産後うつや母性の欠乏や意欲減退の原因はオメガ3の不足にあるのではという医師の見解もあるほどです。中高年でのオメガ3の不足は脳の老化が早く進むともいわれています。

摂取量の目安

ISSFALによると、オメガ3脂肪酸の一種であるDHAとEPAは500mgが基準です。エゴマ油などの植物性オイルでは2gが摂取量の目安です。マグロのトロでは3切れ、青魚は100g程度が1日の摂取量の目安です。サプリメントでは1日1粒が摂取の上限です。クルミでは1日あたり5粒程度で一日の最低限のオメガ3脂肪酸の必要量は満たされます。
オメガ3脂肪酸の摂取量
品目 基本摂取量 具体例
魚介類 500mg 青魚100g、マグロトロ3切れ
植物性オイル 2g クルミ5粒

副作用について

過剰摂取で前立腺がんのリスクが高まります。

酸化について

オメガ3は酸化や加熱に弱いです。グリーンナッツはオメガ3を酸化から守る物質が含まれており過熱に強く実験でも炒め物に使えると言われています。

オメガ3を含む食品

魚介類ではサバ、サケ、サンマ、イワシ、タラ、オキアミ、肝油などにDHAとEPA(オメガ3脂肪酸の一種)が豊富に含まれています。

植物油ではエゴマ油、アマニ油、麻油にαリノレン酸(オメガ3脂肪酸の一種)が多く含まれています。※オリーブオイルはオメガ9でありオメガ3ではありません。

枝豆には100gあたり約500mg、もやしには約100mgのαリノレン酸(オメガ3脂肪酸)が含まれています(Wikipediaより引用しました)。トウモロコシやレタスなどの野菜には数mg~20mg程度のαリノレン酸が含まれています。※枝豆だけでオメガ3の一日の摂取目安を達成するには400gが必要であり、オメガ3のすべてを単一の食べ物で摂取しようとすることは現実的ではありません。

調理法

オメガ3が含まれる油はエゴマ油、アマニ油で1日あたり小さじ1杯程度をドレッシングなどにして生で食べます。味噌汁やコーヒーに浮かべても良いでしょう。

サバ缶が手軽にオメガ3脂肪酸を効率的に摂取できます。さんまなどの青魚を調理すると焼いても揚げても50%のオメガ3が流出しますので、煮汁ごと食べられる調理法がよいでしょう。刺身でいただくのが最も良いです。魚のつみれ汁、缶詰の炊き込みご飯などがDHAやEPAを丸ごといただけるのでおすすめです。

サプリメント

オメガ3サプリメント
DHAとEPAを含むオメガ3のサプリメントは今では安価に入手することが可能です。DHAやネイチャーメイドなどから発売されています。フィッシュオイルのサプリメントはこのようにワセリンとゼラチンで固められたカプセルに入っています。

ダイエット効果

オメガ3脂肪酸がダイエット(脂肪の減量)に効くかというと、関連は無いと思われます。なぜならオメガ3脂肪酸の摂取量は少量で良く一日に必要な必須カロリーに置き換えることはできません(過剰摂取になります)。体に負担のあるココナッツ油を食べるケトン体ダイエットなども危険ですのでよくある宣伝に騙されないようにしましょう。ダイエットには最低限の栄養というものが必要であり、偏った食事は脳卒中や早世のもとになります。脂肪は摂取しすぎると心臓病のリスクが高まりますので植物性脂肪を多量に摂取するダイエット法は命に関わります。

結論

毎日魚とナッツを少量食べている限りオメガ3の特別な食事は必要ありません。油を買われる場合は低温で搾油してすぐに密封している酸化していない良い油を選びましょう。油の偽物に注意しましょう。脳にも効いて体にも良いオメガ3は心の働きを良くしてくれる良い油です。魚の缶詰は賞味期限が切れても食べられるものがあり、手軽にオメガ3脂肪酸を摂取できます。缶詰は期限切れのほうがおいしい場合があります(膨らんでいる缶詰や臭いの悪い缶詰は食べてはいけません)。家族が脳出血た視点で個人的な見解を言うと、ナッツは摂取量が多いと脳から出血しやすいのではないかと思います。普段から出血しやすく血管が弱い人は医師に相談して血圧を下げるなどしてからオメガ3に取り組んだほうがよいと思います。